197.おわけさん   ( 伊勢市御薗町高向 )

伊勢志摩きらり千選
推薦のことば
御頭神事の中に含まれる農耕儀礼。稲作における「田の神様」を送り迎えする祭りらしく、弥生時代の五穀豊饒を祈る様子を今に伝えるものといわれる。明治の初期までは、宮川流域においてごく普通に行われていたと思われますが、今日では高向(たかぶく)地区以外どこにも見られません。(御薗村、57、男)
 「おわけさん」ただいま準備中   2003-12-7
「おわけさん」準備作業
  朝早くから,2軒の祷屋さん宅で神様を招く場所を作り始めます。
  玄関脇の軒先に4本の青竹を立て,菰を巻き青竹をまわして,
藁縄でていねいに結わえます。
 仕事する人は祷屋さんの縁者で,着物を着て御神酒で暖まりながら。

  この神事は3月と12月の2回行われ,高向大社と鏑社の2社を担当する2軒ずつ計4軒の祷屋さんが選ばれます。
(現在は上記2社は高向大社に合祀されていますが、形式が残っています)
  3月は稲を作るにあたって豊作を願い、12月は収穫感謝の神事といわれます。

  「おわけさん」の語源は高向大社から祷屋宅へ「御分霊」を招くことから、といわれています。この行事は以前はこの周辺でも行われていたということですが,いまはここ御薗村高向だけに残っています。分かっているかぎりでは800年の歴史があるそうです。

  昔はご馳走食べて,お酒よばれて,楽しみの日という感覚で,それ程貴重な行事という意識もなく,とくに文献も残っていないそうです。

  高向の方で、宮川ルネッサンスの流域案内人であり、民俗学にも詳しい北村さんに、『おわけさん』の起源について、次のように話していただきました。
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神社で祷屋祭
  午前中に準備を終え,午後から高向大社で祷屋祭が行なわれ、本日「おわけさん」の神事を行なうことを神様に報告します。
  唐櫃により 餅,酒,果物,野菜などの供物が境内に運ばれ、区長、宮総代、祷屋などの関係者で式典が進行。
  祷屋制度は伊勢志摩の各地にあり、その土地によって祷屋の役目は多少異なりますが、およそ、その地域の神事の企画・管理や神社の管理などを行うようです。一方神主や宮総代は神事の式典を司る役目です。

  ここ高向では、毎年2月に国の無形文化財にも指定されているお頭神事という大きな祭があり、祷屋は重責を担うことになります。
       高向大社での祷屋祭式典ー献饌 2008-12-7
                  神職による祝詞奏上2011-12-7
神招きの儀式
   これが神事の本番です。この「おわけさん」という藁屋の中に神様をお招きするのですが、その儀式の手順は、関係者お祓いの後、神主さんによって大略以下の形式で行なわれます。

①「おわけさん」中に神が降霊される3種の御幣と白玉石と笹竹を納める。
②「おわけさん」の手前にお供え物を並べ、 「オーッ」という神招きの発声を行い、祝詞の奏上。
③供え物を下げ、「おわけさん」を封印し、礼拝。
④つづいて、区長、宮総代、祷屋、はじめ関係者が順次礼拝。 御幣とお供え

  以前は部外者はもちろん,女性もこの場には立ち会えなかったということです。
  このあと,祷屋さんは一年間、四足を食さないなどの禁忌を守り、家の出入りの都度,「おわけさん」を礼拝するのがしきたりとのこと。
  そして,2月の高向大社の御頭神事のとき,会所前の焚き火で、これをすべて焼き払います。
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インフォメーション  

伊勢市御薗町高向.マップは高向神社を示しています。

 
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