86.二船祭(国崎)   ( 鳥羽市国崎町 )

伊勢志摩きらり千選
推薦のことば
海士潜女(かずきめ)神社の祭礼として行われる神事で毎年11月18日に若者達が二隻の船に別れて乗り込みその早さを競い合う。雄大である。(鳥羽市、34、男)
          それっ!しっかり漕げ!浜から声がかかります  2016-11-23
    (ポインターを当て見る画面は)焚き火の脇で競漕前に清酒で身を清め
元寇の時代が始まりとか
  二船祭のメイン行事は、二艘の小船にそれぞれ5人の若者が乗りこみ、国崎の前浜で速さを競うもので、海士潜女神社の祭礼行事です。古く元寇(1274年文永の役)の頃から始まったともいわれています。

  漕ぎ手の背中のマークは村を二分する二つの地域、里谷と海間谷(かいまだに)の「里」と「櫂(マーク)」です。

  この伝統行事も、最近の若者不足で2014年、2015年と取りやめになりましたが、ルールを変え改めて今年(2016)復活となりました。

  前浜では清めのお酒を一気に煽った漕ぎ手たちが、二艘のチョロ船で必死に櫂を操っての競漕です。今年は皇學館の学生さんが2名特別参加でした。

  浜では祭の酒を嗜んだ土地の先輩たちが大声で競漕を叱咤激励。その都度見物人から爆笑が上がります。

NEXTページに2004年の祭の様子を載せています
競漕に先立ち、さまざまな行事が
  二船祭は3日間にわたり行われるもので、
  初日(21日)は、早朝 神宮からお札を受け、神社に奉納します。この後、大老会が地域を浄めるため、列を成し、前の浜から汲んだ海水を笹の葉で振りまきながら、神社から前の浜へ進みます。尚、国崎の大老会は60〜70歳の男性で構成され、今年は32名とのこと。

   二日目(22日)は、大老会による大船、小船、縁起物の「シゲ」の製作です。大船(45センチ、2ヶ)、小船(15センチ、48ヶ)は神社に奉納し、海上での安全を祈願するものです。→大船の姿
  「シゲ」は各戸の神棚に置かれる縁起物で、神社で礼拝の際に手渡されます。井戸のある家はもう一つ頂くのだそうです。

   三日目(23日)が「競漕神事」で朝10時から神社で式典が行われ、午後1時頃、船の舵取り2名が前の浜で水垢離をとり、神社へ行きお神酒を拝領、陸路を神の島へと祈願のため出向きます。

   午後2時頃、前の浜に舵取りと漕ぎ手10名が集合、水垢離の後、紋章入りの着物に着替え、藁縄で縛り、船に乗り込みます。

      独特の縁起物「シゲ」2つ2016−11−23
  (ポインターを当て見る画面は)奉納された小船
          式典で八雲琴による演奏2016−11−23
 (ポインターを当て見る画面は)前の浜でお神酒、おこわ、なますを
       添えて、竜神さんに安全と豊漁を
祈る海女さん
二つの式典が
  11月23日、海士潜女神社では2つの式典が行われました1つは午前10時から二船祭の祭典式。もう一つは11時から勤労感謝祭(新嘗祭の式典です。

  いづれの式典も神社の形式に従った式典でしたが、二船祭の式典では礼拝は本殿の扉の脇に置かれた神宮のお札で、本殿の扉は閉じられていました

  また、勤労感謝祭の式典では珍しいことに、二弦琴が演奏されたことです。開扉、献餞、撤餞、閉扉の儀式の際に奏でられました。

  海士潜女神社でも初めてとのことだそうで、。雅楽の演奏とはまた違った優雅な音色でした。

  説明では、「八雲琴」といい、江戸時代文政年間に、中山琴主が出雲大社を詣でた際の霊感により創作した琴とのこと。現在は神社などの式典で演奏されるのが殆どだそうです。
→八雲琴


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インフォメーション  

鳥羽市国崎町。11月23日(2004年)競漕行事は14:00ごろから前浜(鎧崎の西側)で行う。
マップは前浜を示す。

 

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