海女と海士   ( 広域 )

伊勢志摩きらり千選
推薦のことば
A.昔は多くいた海女さんも現在では少なくなっています。志摩地方の風物詩として残って欲しい。
  (大王町、45、女)
B.板子一枚下は地獄で操業する海女。この方々がいなければ天然のあわびは食べられない。好き嫌いと
  いう次元の仕事ではなく誇れる職業である。(鳥羽市、37、男)
C.伊勢志摩地方の海にはなくてはならない存在である。若い後継者が育ってほしい。(阿児町、39、男)
D.男女平等と言われ久しいけれど、資本主義の世の中では、まだまだ平等とは言いがたい。それでも、
  ここ志摩では女の方が強くたのもしい。「男を食わせていけずして何が女か」と言う人あり。
  (大王町、39、男)
E.伊勢志摩では人魚のように潜り貝を採る海女さん。当町では真っ黒のウエットスーツに身をかためた
  男達が海底に潜っている。彼らは海士と呼ばれている。(南勢町、34、男)
F.海女といえば伊勢志摩を示す全国的に有名な漁法。(伊勢市、42、女)
      
歴史のある海女
  伊勢志摩地域は海女さんの数が多く、日本一(1378人/2002年)で、男性の海士を加えると、千葉県についで2番目です。しかし、年毎に減っており、1949年に比べ全体では1/4以下になっています。
 
  海女の歴史は万葉集にも見られ非常に古いとされています。
  伊勢志摩地方では国崎が始まりとされ、倭姫命がこの地を訪れた際、海女が獲ったあわびを賞味し、大変喜ばれ、ここを御贄処(みにえどころ)とされた、とする言い伝えがあります。

  なお、現在も毎年国崎から「熨斗あわび」が伊勢神宮に献上されています。


  NEXTページに伊勢志摩の海女の仕事の仕方とか採取する貝類や海草についてを紹介しています。
浮輪(たんぽ)
  海女の道具1つ、浮輪。
  昔は磯樽或は磯桶だったが最近はゴムの浮輪或は発泡スチロール製の浮輪がほとんど。桶は観光或は祭りの際に使われる程度です。
  これに収穫物を入れる網袋(スカリ)をつけて使います。

  写真の鉄製のヘラは、アワビを磯からはがすイソノミ(磯のみ)。かぎ部分は伊勢えびやウニ獲りに使うのだそうです。

  ヘラの側面に付けられたマークはセーマン(☆)、ドーマン(格子)、いづれも平安時代の陰陽師に由来する魔よけのまじないです。

              大王町船越、大磯浜で、2007-9-12撮影
いざ出漁
  左の写真は大王町船越、大磯浜での一こまです。

  海女の仕事着は、白木綿の磯着(いそぎ)と磯ナカネ(腰巻)の姿は観光用で、現在では黒のウエットスーツ(ゴム製)が一般的です。

  その上から白シャツを着るのはウェットスーツの破損防止、魔よけ、或は海中での目印のためだそうです。
  その他の道具では、磯メガネ、ウェイト(バンド)、足ヒレなどです。

(以上、三重県農林水産統計協会発行「鳥羽志摩地方の海女物語」を参考。)

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