46.朝熊登山鉄道ケーブルカー   ( 伊勢市朝熊町 )

伊勢志摩きらり千選
          営業当時の朝熊登山鉄道(伊勢市図書館資料より)
       (ポインターを当て別画面へ)現在の様子2012-7-14
昔懐かしい朝熊ケーブルカー
  左の写真は、大正14年(1924)から昭和19年(1944)まで20年間、多くの観光客を乗せ、活躍した朝熊のケーブルカーである。年配の方には懐かしく感じられる方も多いと思う。

  麓の朝熊町平岩から、線路長で1060m,高低差415m、最大斜度33度、で山上駅の朝熊岳に着く。そこから金剛証寺まではおよそ2km、バスの便があった。

  平岩までは、楠部駅からの電車があり、楠部で伊勢の市電に乗り換えた。


 
 ポインターを当てると別画面に変わるが、この写真の下のほうにある茶色の段々が平岩駅のプラットホームの名残である。ケーブルカーの車道は樹木に覆われて見えないが、コンクリートは未だ残っている。しかし駅近くは、土が覆い歩行は困難。

  登山用の朝熊岳道は、中ほどでこのケーブルカーとクロスしている。岳道の橋の上からケーブルカー路線跡が真下に見える。

  なお、本ページの大半の内容は、冊子森田雅和著「追跡・朝熊登山鉄道」と「続追跡・朝熊登山鉄道」(昭和59年発行)から引用させていただいた。また画像の一部は伊勢市立図書館の資料によっている。


ビデオサークル安田昇氏の作品「お伊勢さんのチンチン電車」です。ケーブルカーは一部ですが、チンチン電車との関係で描かれています
上映時間は15分。
ケーブルカーの方式は「つるべ式」
   ケーブルカーの方式は冊子「四郷の歴史(1971年発行)より抜粋させてもらいます。

 
「山上の停車場に機械室を設け、ここに高圧電動機で運転する巻上機を装置して ケーブルをを上下に運転する。ケーーブルの両端に車を連結して、つるべ式に運行させるのである。

  軌道は単線で、ちょうど中央の所で自動的にすれ違うように設計され、(中略) ケーブルカーは、電車のように電流を送るのではないから架線は要らない。しかし、信号用・通信用の電気が必要であったから実際には電線を引いていた(中略)

  平岩駅より2ヶ所のトンネルを経て終点の山上に至るわけであるが、一日50回往復してケーブルカーの所要時間は25分、料金は片道35銭往復65銭、こどもはその半額であった。」 
    ケーブルカーの勇姿(?)
       (ポインターを当て別画面へ)車体の寸法です
       「朝熊岳」駅舎とその周辺
         (ポインターを当て別画面へ)現在の駅舎様子2012-9-27     
−ブルカー終点、朝熊岳駅
  朝熊岳駅は現在、写真の左側の建物の「側」だけが残っている。(ポインタをあて別画面へ)
  周囲はつる草に覆われ、昔の面影はない。現在は安全のため手前に柵が設けられている。(2012)

  朝熊岳駅から金剛証寺までは、東風旅館、野間萬金丹などが軒を並べ、大変な賑わいであったという。
その様子をNEXTページに→山上の賑わい


  真珠王の挿話
「…その頃真珠王御木本幸吉翁は朝熊山頂の別荘へいくのにケーブルを利用せず、お抱えのカゴに身を任せていた
  しかもカゴがケーブルの側を通るため、両者で競争をしたという。ところが皇族の行啓のとき、御木本翁の別荘に立ち寄られることになって はじめてケーブルに乗り、以後それを契機として愛用するようになったという…」
              (追跡・朝熊登山鉄道より)
私もオススメ


インフォメーション  

伊勢市朝熊町
左マップはケーブルカー始発駅平岩駅跡、
右は同 朝熊山上駅跡です

 
 

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