235.賓日館(ひんじつかん)   ( 伊勢市二見町江 )

伊勢志摩きらり千選
推薦のことば
  二見館は江戸時代から続いた旅館で、別館の「賓日館」は皇室の方も泊まられた由緒ある建物です。国の登録文化財にもなっているのに、存続の危機を迎えており何とか残したいものです。( −、54、男)
           賓日館正面玄関 2010-3- 拡大
日本でも有数の歴史的宿泊施設
  賓日館は明治20年(1887)、伊勢神宮の賓客の休憩・宿泊施設として、神宮の崇敬団体・財団法人神苑会(しんえいかい)により建設されました。命名者は神苑会総裁・有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみやたるひとしんのう)です。
  そして明治44年(1911)2月には隣接する二見館に払い下げられ、二見館別館として平成11年(1999)まで使用されてきましたが、二見館休業に伴い二見町に寄贈されました。
  賓日館は、明治末期から大正初年にかけてと、昭和5年(1930)から同11年(1936)にかけての2回、大増改築がなされています。当代一流の建築家による品格ある洗練されたデザインと、選び抜かれた国産の材料やそれに応える職人の技など、建築学的見地からだけでなく、二見町の近代史を語る上でも、欠くことのできない大変重要な文化財と言えます。
  なお、平成16年(2004)3月17日に県の有形文化財に指定されています。詳しくは館内説明板
桃山式の大広間
  現在の二階の大広間は昭和5年(1930)に始まる大増改築で建築された代表的書院造りの広間で、桃山式の折上格天井(おりあげごうてんじょう)が特徴です。※折上格天井について

  舞台は能舞台としての数々の音響上の配慮がなされ、舞台背景の絵は中村左洲の「老松」です。
  舞台対面にある床の間 或は違い棚 或は廊下には最高級の国産材が使われています。
 
  また
同階の「御殿の間」も明治20年(1887)創建当時のまま残されています。ここには創建以来、歴代の皇族方がご休憩・ご宿泊されています。御殿の間最大の特徴は、珍しい二重格天井(にじゅうごうてんじょう)です。
                      賓日館大広間 2010-3-3
    床の間脇の明り取り障子の装飾 2010-3-3
優れた日本建築のモデル
  随所に日本建築の美しさを発見できます。

  賓日館の良さは見る人によって大きく異なると思いますが、筆者のおすすめは、障子などの建具や建築用の装飾金物などです。NEXTページに上げてみました。

  昭和初期の頃の日本の建築技術の確かさ、美意識の高さを感じます。
 

私もオススメ


先日、初めて賓日館を訪れました。もう切り倒せない屋久杉や、京都の鞍馬石、今ではつくる技術のないガラス窓・・・様々な建材が使用されていて、実に趣き深い建物でした。
この資料館がとても素晴らしいのは、そのような非常に価値の高い現物に触れることが出来る点です。あなたも明治にタイムスリップしてみては如何でしょう。
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インフォメーション  

伊勢市二見町江

伊勢二見鳥羽ライン二見JCTより車で4分、JR二見浦駅より徒歩12分
入館料:大人300円、小人(小・中・高)150円
入館時間:9:00〜16:30
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)

 


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