99.ボラ番小屋と雄大な眺め   ( 南伊勢町田曽浦 )

伊勢志摩きらり千選
推薦のことば
13年1月14日南勢テクテク会と地元住民とが協力して復元したボラ見張り小屋。断崖絶壁と前島半島、太平洋を眺めていると時の過ぎるのを忘れる一度は訪れのんびりしたい所です。(南勢町、62、男)
          2004-9-16撮影
ボラ漁に沸き立った海
小屋の正面は将に太平洋の海、又海です。ボラの大群が押し寄せ、一網打尽にすべく田曽の人々が総出で舟を出し、網を張り、大漁に沸き立った海です。

 写真はボラ番小屋から見た左手の風景です。遠くかすむのは浜島(左)と御座の白浜(右)。


ボラの見張り小屋
 ボラの番小屋です。石組みだけが残っていたものを、平成13年に地元と南勢町のNPO「ふるさと会」や「南勢テクテク会」が協力して屋根をつけ復元しました。

 小屋脇の説明板には
「ここはボラ見張り小屋跡です。4月から6月ボラ漁のため、アラメ(よく目が効く、海底をよく知る人)漁師のベテランが、ぼらの大群の見張った場所です。」とありました。

 ボラの大群を見つけるとアラメは山道を走り、寺の上の「オメキ山」から里人に知らせるために大声で「喚く(おめく)」のだそうです。

         2004-9-16撮影
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    2004-9-16撮影
小屋は前の崎の絶壁の上に
 番小屋は田曽岬の東隣の、前の崎の突端にあります。海側はは絶壁で、見張り小屋としては最適地でしょう。前述の屋根付け作業の時に新たに柵が設けられました。

 田曽岬と前の崎の間を地元では網代と呼び,ボラがよく釣れた場所の1つだそうです。

 小屋の屋根には網で包んだ石が載せてあり、この土地の風の強さが想像されます。

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阿曽浦でも
僕の生まれた阿曽浦でもボラ網漁が行われていました。春先の早朝、まだ布団の中に入っている時にオメイて来て、あわてて飛び起き、前浜の漁場の見えるところに陣取り、手こぎ船の動きを最初から最後まで、興味しんしんと興奮気味に見ていたものです。しかし、石油コンビナート等日本の工業化にともない、ボラが油くさくなり、この漁法も衰退し、無くなったのは残念です。
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インフォメーション  

南勢町田曽浦。二つのルートがあります。1つは地元の慈眼寺から登るもの、他の1つは田曽岬の金比羅公園へ上る途中を左に入る道です。後者は途中萱が茂り道が分かりにくいところがあり、前者がお勧めです。

 


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