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監的哨跡のシーン
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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 新治が目をさますと,目の前には一向衰えていない焔(ほのお)が あった。 焔の向こうに,見馴れないおぼろげな形が佇んでいた。 新治は夢ではないかと思った。 白い肌着を火に乾かして,一 人の裸の少女がうつむいて立っている。肌着をその両手が低いとこ ろで支えているので,上半身はすっかり露である。 ……決して 色白とはいえない肌は,潮(うしお)にたえず洗われて滑らかに引 締まり,お互いにはにかんでいるかのように心もち顔を背けあった 一双の固い小さな乳房は,永い潜水にも耐える広やかな胸の上 に,薔薇いろの一双の蕾をもちあげていた。 新治は見破られる のが怖さに,ほんのすこししか目をあけていなかったので,この姿 はぼんやりとした輪郭を保ち,コンクリートの天井にとどくほどの焔 を透かして,火のたゆたいに紛れて眺められた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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