89.丸興山庫蔵寺(がんこうさんこぞうじ)   ( 鳥羽市河内町 )

伊勢志摩きらり千選+
推薦のことば
A.国重文の古刹であり、自然石で作られた参道、樹木がすばらしい。(鳥羽市、73、男)
B.金剛證寺の奥の院として建てられたが、今は真言宗御室派の寺。本堂、鎮守堂ともに国の重要文化財に
 指定されている。又堂内には他に県指定の「三宝荒神像」等がある。(鳥羽市、67、男)

      山門前の急階段 2012-1-13拡大       

大自然の懐に抱かれて
   庫蔵寺は鳥羽の丸山の山中にひっそりと建っています。鳥羽市河内町から徒歩で約30分の登りです。
  山門前に至ると、鬱蒼として原生林のような森の中に、急な自然石の石段が現れ、人里離れた、「祈り」の場に来たことを実感させてくれます。
  ※最近は鳥羽レストパークから寺の裏側へ車で入ることも出来るようになり、これを利用する人も多いようです。レストパーク側の入り口の看板には、「徒歩で行ってください」とありますが…。

 丸興山庫蔵寺
  大変古くからの由緒あるお寺です。
  庫蔵寺は、天長2年(825)弘法大師が,朝熊の金剛鉦寺を創立した翌年に その奥の院として建立、虚空蔵菩薩を安置したとされています。真言宗御室派。

  現在の本堂は1561年(永禄4年)に建てられ、1994年(平成6年)に大修復されています。本堂内部、外陣の格天井には様々な牡丹の姿が描かれ、欄間にはかなり薄れていますが極彩色の仏画を見ることが出来ます。

内部には極彩色の仏画
  本堂の背後の高台にある鎮守堂は1605年(慶長10年)建立、現在は覆堂(堂全体を覆う建物)に収まり、鬼子母神が祀られています。

  本堂左に鐘楼があり、鐘は1711年(享保6年)のもの。良く響き、こうした山深いお寺でこそふさわしいと感じました。 ただし鐘楼は老朽化のため再建の支援を呼びかけています。

  また、珍しい鰻の絵馬がありました。鰻は子宝、子孫繁栄のシンボルだそうです。
  庫裡には古い板戸があり、一枚ごとに優れた日本画が描かれています。
もともと30枚あったものが、18枚も盗難にあったのだそうです。実に残念です。
  なお、本堂と鎮守堂は国の重要文化財に指定されています。(1917年)
  本堂は左右に後から追加した部分がありますが,太子堂と聖天堂を追加したためで、これは指定に入っていないそうです。
  由緒について詳しくは教育委員会の説明板をご覧ください。
       こけら葺きの本堂(縁日で幕くが張られている)2012-1-13
            (ポインタを当て見る写真は)
本堂正面から 
    三宝荒神像2012-1 拡大(仏様の画像はいづれも印刷物のコピーです)
三宝荒神像
  ご本尊は虚空蔵菩薩で秘仏(平生は一般公開しない)ですが、他に三宝荒神像が有名です。(県指定重要文化財)
  厨司に収まり、座面まで全高24.9cmの仏様です。

  大阪市立美術館での特別展示の際の解説書「祈りの道」(発行:毎日新聞社)によれば
「…胎内の墨書銘によれば庫蔵寺の政覚が願主となり、1532年(室町・享禄5年)に康■が刻んだ荒神像とわかる。
  役行者、感得と伝える三宝荒神は修験の寺院で多く祀られるが、中世にさかのぼる彫像の遺品に乏しい。
  小像ながら整った像容を示す本像は、中世の銘を有する現存唯一の三宝荒神像として貴重である。」
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インフォメーション  

鳥羽市河内町539。丸興山庫蔵寺 TEL0599-26-3354

 

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