127.江戸川乱歩「パノラマ島奇談」   ( 鳥羽市鳥羽1丁目 )

伊勢志摩きらり千選
推薦のことば
鳥羽の御木本真珠島は上記の小説の舞台となりました。又、乱歩は一時鳥羽に住んでいました。(鳥羽市、34、女)
「パノラマ島奇談」の書き出し
  「同じM県に住んでいる人でも、多くは気づかないでいるかもしれません。I湾が太平洋へ出ようとする、S郡の南端に、ほかの島々から飛び離れて、ちょうど緑色の饅頭をふせたような、直径二里たらずの小島が浮かんでいるのです。
  今では無人島にもひとしく、附近の漁師どもがときどき気まぐれに上陸して見るくらいで、ほとんどかえりみる者もありません。ことに、それはある岬の突端の荒海に孤立していて、よほどの凪ででもなければ、小さな漁船などでは、第一近づくのも危険だし、また危険をおかして近づくほどの場所でもないのです。
…」

M県は三重県、I湾は伊勢湾、S郡は志摩郡(当時は鳥羽も志摩郡でした)です。
この小島のモデルは特定できません。


江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)
  1894〜1965。三重県生れ。本名平井太郎。3歳より名古屋に移る。『怪人二十面相』など少年ものに名作がありペンネームは "エドガー・アラン・ポー" によることはよく知られている。

  名張出身の乱歩は大正5年の晩秋から1年余り、鳥羽造船所でサラリーマン生活を送る。 当時のことを書いたエッセイには給料や仕事の内容、風光明媚な鳥羽の自然などが描かれ、万事におだやかな生活だったことをうかがわせる。


←左の写真は鳥羽の「乱歩館」
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インフォメーション  

鳥羽市鳥羽2丁目「鳥羽みなとまち文化館」の隣に、乱歩館・鳥羽文化ギャラリーが2004年4月10日オープンした。
展示品は約60点。入場無料、原則休館は火、水曜日。

 


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