5.あわび   ( 広域 )

伊勢志摩きらり千選
推薦のことば
A.おととし大好きだったおじが亡くなりました。寿司屋の板前をしていたおじは、私が長男を妊娠した時
  にきれいな目の子が産まれるようにとあわびをたくさん食べさせてくれました。もちろん味は
  最高でした。(伊勢市、33、女)
アワビについて
  ミミガイ科に属する巻き貝の一種で、通常の巻き貝とは著しく異なり
耳形あるいは卵楕円(だえん)形の浅い皿形をなす。
  日本のアワビは、エゾアワビ(北海道、東北地方に分布する)、クロ
アワビ(方言ではオンとかオガイという)、メガイアワビ(方言でメン
ともいう)、マダカアワビである。

  雌雄異体で、よく青色の貝を雄貝、赤色の貝を雌貝といっているが、
これは種類の違う貝で、それぞれの貝に雌雄の別がある。
  本来贈物につける熨斗は、正式にはアワビの一片を添える。また貝殻を門戸につるして中風やはしか除(よ)けの呪(まじな)いとするが、鶏小屋につるしてイタチ除けとするのは各地にみられる。

漁獲量は減る一方
  三重県のアワビ漁獲量は、岩手、宮城、千葉などに次いで全国8位。
' ’02年度は78トンが水揚げされた。県の漁獲量の9割が志摩地区で
ある。アワビ捕りができるのは6月から9月初めまでの約3ヶ月間、
引き潮で天気の良い10日ほどに限られる。

   '00年度の全国のアワビ漁獲量は2146トン、三重県内の漁獲
量は過去50年ほどで、'66年の752トンをピークに'80年の
198トンまでに減った。その後、少しずつ持ち直し、'86〜89年
は400トン台を推移したが、急激に減り始めた。

           クロアワビ
   あわび料理(写真提供:坂田巧さん)
食のアワビ
  黒アワビと赤アワビがあり、黒アワビの方が肉が厚く美味で、
値段も2〜3割ほど高い。
   クロアワビは肉が硬いので生食などに用いる【アワビの活き造り】

  メガイアワビ、マダカアワビは柔らかいので、煮物、焼き物、
蒸し物などに用いる  【アワビのステーキ】

  写真はある料亭のあわびが付いた膳です。

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