74.ブリの刺身を砂糖醤油で食べる
( 大紀町錦 )
漁師料理の一つで、ブリの刺身を砂糖醤油で食べますが、新鮮で脂ののったブリは醤油をはじくぐらい。おっかなびっくりで食べてみると、とても美味しく、疲れた漁師の糖分補給の料理だそうです。(紀勢町、44、男)
40代以下では少数派?
さて、錦ではどの程度「ぶりの刺身を砂糖醤油で食べている」のか、漁港周辺で錦の人に直接、聞いてみたのが下の表です。
出会った人々(特に年配者)の話を聞き、それらを下に、筆者流儀にまとめると以下になります。
●砂糖醤油派は年配層に多く、若い層では少数である。
●その起源は、推薦の言葉通り、漁労での激しい労働を支える有効な
糖分補給であった。
●「鼈甲寿司」「てこね寿司」など類似の食感のものがあり、刺身を
砂糖醤油で食べることは、それほど特異なことではない。
●砂糖が未だ貴重品であった時代では、「甘さ=うまさ」であり、
珍重されたが、食生活が豊かになると、全体としては、刺身に
砂糖を求める傾向は減り、個人的な嗜好としてだけ残る。
「ずけ(漬け)」にして良く食べる
色々な意見から抜粋しますと、
●刺身は醤油にわさびだけど、刺身の残りを「ずけ(醤油に砂糖を少し入れて漬ける)」にして(ご飯に載せて)食べますよ。
●「ずけ」にしたものを「べっこ(鼈甲)寿司」にして、よく食べます。
●ウルメ(鰯)とかアジは砂糖醤油で食べますが、ブリはただの醤油で食べます。
●船では「めっぱ」(曲げ物の弁当箱、ご飯が入っている)に砂糖醤油をつけた刺身を上に載せ、お茶をかけて食べるんだ。
尚、聞き取りの中で、刺身は大嫌いだという方が二人あり、表にはいれていません。
2005-8−14〜15錦にて調査
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てこね寿司
塩浜遊歩道 ブリ沖見台から見た熊野灘
ブリのベッコウ寿司
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