61.錦港の夕日   ( 大紀町錦 )

伊勢志摩きらり千選
推薦のことば
子供の頃から見ている風景ですが何度見ても素晴らしい。(紀勢町、41、男)
    錦港の落日 (2004.12.13)
   山の端に沈む港の夕日
”港の夕日”といえば、水平線に沈む燃えるような真っ赤な夕日を想像しがちだが、山に囲まれた錦港では夕日は水平線に沈まない。
まだ充分青空を残したまま名残惜しげもなく山の端に隠れてしまう。

そして、しばらく時が経った頃、空の一角がオレンジ色に変わりはじめ徐々に夕映えが空から海へと広がりはじめる。
応募のことば通り、日々さまざまな夕映えが空と海とで織り成されることであろう。

遮る物なしの熊野灘に沈む夕日と違い、錦港の落日はあっけない。

    港のたそがれ
 岸壁には、疲れた体を休めるようにして船が並んで繋がれている。
 不漁の所為か、漁師の加齢の為か、出航することも無く繋がれて
 いる船。
 そんな船が年々増えているそうだ。

 それでも時々、”えび網漁”の仕掛けに出かける船があるらしく
 小さなエンジン音を残して小さな船が夕方の港を出て行く。

 繋がれた船、海を見ている老人、夕映えに舞う鴎の群れ、
 港町のたそがれは一抹の哀愁を伴う。

 

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     たそがれの錦港 (2004.12.7)
   塩浜公園から見る夕日(2004.12.15)
趣の違う熊野灘の夕日
一方、同じ錦地区でも熊野灘の海に沈む夕日は明るい。

日没の頃ともなると近くの高台の公園には、夕日をカメラに収める人・犬の散歩の人・ウォーキングの途中で夕日を眺める人などの姿がある。
港を出た”えび網漁”の船が、長い航跡を残しながら夕映えの熊野灘の中に消えていく。

このように湾の内と外(錦港と熊野灘)とでは、趣の違う錦の落日を目にすることができる。

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インフォメーション  

大紀町錦港。

 


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