舞楽  迦陵頻伽(かりょうびんが)

  迦陵頻伽(かりょうびんが)

  この舞楽は、インドの起源を持ち、わが国へは奈良時代に伝えられたといわれています。極楽に住むといわれる想像上の鳥、迦陵頻伽が美しい声で鳴き、舞い遊ぶ様をかたどったと伝えられます。

  この舞楽は、「不言楽」「鳥」などとも称せられますが、古来、童舞といって童子・女子の舞とされています。

  舞人は、「古楽乱声(こがくらんじょう)」という曲に合わせて、手に持った銅拍子を打ちながら登場します。

  舞人はこの曲が始まると、それぞれの位置で緩やかに舞い、やがて曲の中頃から銅拍子を打ち鳴らし、舞台を一周した後、舞いながら去っていきます。

  装束は紅色の袍(ほう/上着)に白綾の袴、背には美しい鳥の羽を負い、頭には桜の花を挿した天冠を着けています。
  足には縹色(はなだいろ/薄い藍色)と白の染め分けの鳥足を巻きつけて舞います。

  銅拍子をつけて舞うのは、その響が迦陵頻伽の鳴き声を表現しているからだといわれています。


(神宮舞楽解説より)

※神宮御神楽のページに戻る