33.今浦の片枝梨跡   ( 鳥羽市浦村町  )

伊勢志摩きらり千選
 
               写真は鳥羽市提供

梨の木の故事が歌に

 内容はほぼ推薦の言葉通りですが、二つの枝が毎年交互に実をつけるという話もあります。この辺り、昔は都にも知られた梨の名産地とのことで、古歌に歌われています。

 写真中、右端にある若木が、枯れた木の代わりに植えられた梨の木です。その由来については,下の鳥羽市の教育委員会の説明板をご覧ください。


今浦は昔、梨の名産地

 この一角、岩が露出していて何か特別な場所を思わせます。資料では以前片枝梨大明神の祠があったが、現在の浦神社に合祀されたとのこと。

 となりの家のご主人に伺ったところ、「以前は左に松の大木が、右には楠があったけれど、枯れて切られてしまった」とのお話でした。

 なるほど左手(石碑の後ろ)には径70cmほどの大きな松の切り株がありました。

 

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                 写真は鳥羽市提供
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             写真は鳥羽市提供

古今集に伊勢うたとして

この場所の歌碑は、古今和歌集巻第二十の中の東歌に[伊勢うた]として上げられている歌です。
「麻生の浦に片枝さしおほひなる梨の成りもならずもねて語らはん」

歌の意味は「麻生の浦に片枝を伸ばして、覆うほどに実をみのらせている梨を見なさいよ。あのように二人の仲がうまく成るか成らないか、ともかく一緒に寝て語ろうよ」と梨の木をたとえにした恋の歌である。と説明板にありました。

「梨」「無し」「成し」、を掛詞にして「(実が)成る」「(恋が)実る」等の意味に用いているのでしょうか。
 


インフォメーション  

鳥羽市浦村町今浦。麻生の浦大橋の橋際を今浦地区への道を下り200mの所を右に入る。

推薦のことば
七不思議の一つ、梨は昔の浦の名産で、この所に片方の枝のみ実のなる梨の木があって都で話題になったと古歌にある。何代かの木が枯れたので、幼木を植えて往時を偲ぶ縁としている。(鳥羽市、67、男)
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